仮想通貨のステーブルコインの種類多すぎ問題、どれを選んだらよいの?

アルトコイン(草コイン)

かつてはUSDTくらいしかなかった仮想通貨のステーブルコイン。

最近、本当に増えましたね。

LUNAのステーブルコインTeraUSTの崩壊、TronのUSDD等もペグが外れる事件が起こり、何かと注目を集めています。

そこで、本日は、代表的な仮想通貨のステーブルコインを調べるついでに記事にしてみました。

そして、僕がなぜBUSD等に資金を入れているのか?選ぶ基準などを書いていきます。

 

本日のまとめ

ステーブルコインを選ぶ際は、その担保を調べて、発行元の準備金の多さや、収益性、信頼性などをよく吟味し、あなたにとって適切なものを選んでいく。

なお、僕のステーブルコインの選定基準は発行している企業が儲かっており、その法定通貨が裏付けとしてあるもの(法定通貨担保型)を選んでいる。

USDT、USDC、BUSDなど。

 

ステーブルコインとは?

ステーブルコインとは、価格変動が激しい仮想通貨の中で安定した通貨である円やドルなどの法定通貨と同じ価値を持つようにブロックチェーンでつくられた通貨。

 

Coingeckoで表示されているステーブルコインだけでも85種類のステーブルコインが存在し、最近では急速に増加しています。

 

ステーブルコインの増加の理由としては、需要があるからです。

取引高では今やUSDTというステーブルコインが仮想通貨でトップのビットコインの出来高を上回るのが当たり前になっています。

 

主な理由は以下の3点です。

・安定が好まれ、支出に優れている

現時点では仮想通貨よりも法定通貨が圧倒的に需要があります。日本のお店で殆ど仮想通貨を使う所がないのが良い例でしょう。支払いでは、多くが法定通貨が使われる現状ステーブルコインに需要があるのです。

 

・銀行口座不要のトラストレスな取引

仮想通貨のブロックチェーンの技術で改ざんのしにくい信用不要(トラストレス)の取引が可能です。これは銀行がなくても世界中のどこでも誰でも取引できるという画期的な技術です。現在、銀行口座のない人は世界に17億人ほど存在します。

 

・仮想通貨取引のヘッジ

ご存じのように仮想通貨は値幅が広く、暴落のリスクがあります。

そのヘッジ(損失を回避する手段)としてのステーブルコインが大きな需要があります。

多くの方は結局のところ、法定通貨を増やすため、つまり、より多くの日本円やドルなどを増やすために仮想通貨取引を行っています。

法定通貨が価値を薄めている、現在、仮想通貨がヘッジという考え方が浸透して良いと思いますが、まだ普及率などの面で弱いためにステーブルコインをヘッジと考え、需要は強いのです。

 

種類

ステーブルコインは基本的に4種類。

 

・法定通貨担保型

実際の法定通貨を担保にコインを発行し、交換比率を固定。

例えば、100%法定通貨担保型の場合、100ドルの米ドルを用意して、ステーブルコイン100枚を発行するというイメージ。

多くのステーブルコインはこれに該当するが、全てが法定通貨というわけではない。

代表的な法定通貨型ステーブルコイン:USDT、USDC、BUSDなど

 

・仮想通貨担保型

ビットコイン等の特定の仮想通貨を担保にコインを発行して価格を連動させる。

法定通貨に対する値動きはまだまだ激しいものの、最高値を更新するビットコイン等が地位をあげ、人気をあげてきている。

代表的な仮想通貨担保型ステーブルコイン:DAIなど

 

・コモディティ型

ガソリンや原油などのエネルギーや金や銀などの貴金属、トウモロコシや小麦などの穀物のような商品をコモディティと呼び、その値動きに連動させるステーブルコイン。

金のように価格が比較的安定しており、長い年月で価値を上げているものは特に人気がある。

代表的なコモディティ型のステーブルコイン:Tether Gold(XAUT)など

 

・無担保型

アルゴリズムによってコインの流通量を調整していくステーブルコイン。

代表的な無担保型ステーブルコイン:USDD、LunaUST

 

主なステーブルコインについて

USDT、USDC、BUSD、DAIなどの主なステーブルコインの説明をします。

 

USDT

Tether(テザー)ことUSDTは、古くから仮想通貨界隈で使われてきたことから、現在、最も広く浸透して出来高のある(使われている)ステーブルコイン。

米ドルと1対1で価格を維持するように設計されている。

 

テザー社の公式サイトにて抜粋。

すべてのテザートークンは、一致する法定通貨で1対1で固定され、テザーの準備金によって100%裏付けられます。準備金の価値は毎日公開され、少なくとも1日1回更新されます。

 

以前、担保資産の不透明さが指摘された。

そんなこともあり、現在は定期的(約四半世紀に1度)に監査を行い、レポートも更新されている。

 

USDTは、法定通貨担保型といっても100%のドルではない。

資産の担保としてデジタルトークンを含む投資で運用なども行っている。

つまり、日本の年金のように預かったお金で投資などをして増やしてもいる。

運用で資金が増えれば、USDTの利率も上がり、そういった背景もありUSDTは浸透した。

 

しかし、当然、投資なので減ることもある。

割合は低いとはいえ、テザーの規模も大きくなり、運用額は相当なもの。

当然、リスクはある。

 

このような担保の運用や準備金に関しては様々な懸念材料はあるが、長年の運用で最も利用されているステーブルコインであることは事実である。

 

USDC

USDCは、テザーに次ぐ2番目の取引高のステーブルコイン。

仮想通貨全体でも時価総額で4位といま最も勢いのあるステーブルコインです。

米国のフィンテック企業である米サークル社によって誕生。

 

何故、このステーブルコインが人気が出てきてるのか?

まず、財務省の金融犯罪監視網に登録されており、管轄国家機関であるニューヨーク州金融サービス局から仮想通貨事業を行うことを許可された米サークル社は米国お墨付きの会社だからである。

つまり、圧倒的な信頼感がある点である。

 

加えて、ゴールドマンサックスのような世界的企業にも出資を受けている。

 

懸念点とはしては、データは週ごとに公開されているものの正確性に関しては不透明な点。

というのも、公式サイトには以下のような記載もある。

1、2022年6月10日午後12時ET現在のデータスナップショット。これらの週次数値は、Circle Internet Financial、LLCによって計算されたものであり、独立した第三者監査人(Grant Thorntonを含む)によって検証されていません。Circleのお客様は、Circleアカウントを通じて、米ドルとの1対1の交換でUSDCをいつでも作成または交換できます。顧客は、資金の決済を条件として、ほぼ瞬時にミントおよび償還を行うことができます

2、USDCは、米ドル建ての資産と同等の価値に支えられています。USDCの準備金は、ブラックロックやバンクオブニューヨークメロンなどの主要な米国の金融機関の管理下にあります。現金は米国の金融機関で保有されています。USトレジャリーは、サードパーティのカストディアン(US Bank、Bank of New York Mellon)で開催され、プロの資産運用会社(US Bank Asset Management、BlackRock)によって管理されています。

つまり、第三者によるデータではないので、毎週の監査サポートも疑わしい点がある。

よって、僕はあまりこのステーブルコインは保持していません。

 

BUSD

BUSDは、Paxos社と海外の仮想通貨No’1のバイナンスによって設立されたステーブルコイン。

Paxos社は、PAX Gold (PAXG) というゴールドを裏付けにしたステーブルコインも作成しています。

ニューヨーク州金融サービス局により、BUSDとPAXGは認可されています。

 

大きな特徴として、バイナンスとは別のPaxos社が定期的に監査をリリースし、米ドルの準備高とBUSDの供給量が1対1で一致していること

 

つまり、仮にバイナンスが潰れても、Paxos社が運営しており、BUSDは被害がない点。

そして、BUSDの担保の積立金がドルそのもので米国で定期的に監査されている。

僕がBUSDを使っているのも、こういった理由もある。

 

また、現在のバイナンスは誰が見ても儲かっている会社。

出来高は、他の取引所を寄せ付けない。

また、今の冬の時代も他社は削減の中、バイナンスは逆に人材を募集中。

バイナンスCEO、推定資産は約11兆円──保有する暗号資産含まず:報道 | CoinDesk JAPAN(コインデスク・ジャパン)
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リーダーのCZ(チャンポン・ジャオ)の資産も、華人の中では今やトップクラス。

逆にPaxos社が潰れても余裕でサポートできると見ている。

 

他のBUSDに関する詳細は「BUSDとは?バイナンスアカデミー」などをご覧下さい。

 

DAI

DAIは、MakerDAOという2014年1番最初に設立された分散型金融 (DeFi) プロジェクトのステーブルコイン。

ドルにペッグされた仮想通貨担保型のステーブルコイン。

 

大きな特徴は、コミュニティがDAO (分散自律型組織) でコインを管理している点。

ETHの仕組みであるスマートコントラクトで「ユーザーが入金したETHの枚数に対して、●●枚のDAIを発行する」というルールで運用

スマートコントラクトがDAI発行プロセスを管理するため、人の手を介さずに効率的に動作します。DAIステーブルコインを借りたいときは、CDPスマートコントラクトで仮想通貨をロックします。このCDPでは、清算率 、例えば1.5倍と設定されており、この場合$100のDAIを発行するには、$150のETHを担保として提供する必要があります。ユーザーは必要に応じて担保をさらに追加し、リスクを減らすことができます。担保金額が150%(1.5倍)を下回ると、ペナルティ・フィーが発生します。最終的に、ユーザーは、追加された金利でDAIを返済できなければ、清算のリスクを負うことになります

ユーザーは、仮想通貨を一定の清算率で「Maker Vault」にロックすることでDAIを発行。

DAIの発行や償還、担保の追加や引出はいつでも自由にできる。

ただし、清算率を維持する必要があり。

この比率を下回ると、Vaultは担保を清算。

例えば、清算率が125%の場合、$1のDAIに対して $1.25の仮想通貨での担保価値が必要。

それだけの仮想通貨が無かった場合、維持不可とみなされ自動的に清算される。

 

DAIの良さは、仮想通貨の変動がキッチリ考慮に入れられていて担保率に余裕がある点。

例えば、1万円のイーサリアムを持っていたら、1万円分ではなく、最大で5千円のDAIが借りられるイメージです。仮想通貨は価格変動が激しいとはいえ、イーサリアムの価値が一夜で半分以下になることは考えにくい。

仮想通貨を担保にしているものの、ユーザーがDAIを発行するために預けないといけない仮想通貨の総額は、受け取るステーブルコインの総額よりもはるかに高い額が設定されていている。

だからこそ、ETHなどの急落した仮想通貨を担保にしていても崩壊せずに対応できている。

 

DAIは登場当初は怪しまれたものの、ペグを維持し、今や信頼を高め、ステーブルコインで5位の取引高がある。

 

TerraUSD(UST)

アルゴリズム系の仮想通貨。

Terraform Labs社が発行。

 

USTは、ペッグされたLUNAという仮想通貨を通じて他との差別化を図っている。

仮想通貨のボーダーレスな利点とフィアット通貨の価格安定性を組み合わせている。

USTとLUNAの発行枚数を調節してUST=1ドルに調整。

 

しかし、USTが1ドルを下回ると、USTが1ドルペグに戻すまでLUNAが売られ続ける仕組みを利用されてUSTは崩壊、Luna(現在はLuna Classic)は99%下落した。

つまり、誰かが大量のUSTを戦略的に売却したのが崩壊のキッカケ。

すると、ペグを戻すためにLUNAが売られる。

ペグが外れることでUSTの価格は1ドルを保てず、投資家達は恐怖や失望で次々とUSTやテラを手放し、負の連鎖で崩壊という流れとなった。

 

仮想通貨であるLunaは、一時期、仮想通貨ランキング10位になったほど急速に成長した通貨。

人気の理由は、アルゴリズムを使ったことで高金利でUSTが増えていく点にあった。

なんと、Terraform Labs社の利回りは、年利20%ほど。

1年でドルが20%も増える・・・。

会社や創業者などの経歴が多少は怪しくても飛びつくというわけである。

Defiでは仮想通貨の利回りが20%以上のものがあるため、ドル年利20%ですら、違和感は感じなかったのではないかと思われる。

 

崩壊劇に関しては、「テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ-coinpost」などで確認すると良い。

 

USDD

USDD(Decentralized USD)は、価格が1ドルと連動しているアルゴリズム型ステーブルコイン。

トロン(TRON)という時価総額10位ほどの仮想通貨を使い、価格が安定を図っている。

なんと、TerraUST騒動が起こる2日前の2022年5月5日にローンチされている。

 

USDDの特徴は何といっても高い年利である。

現在、預ける場所によっては年利30%以上という非常に高い金利であることが特徴である。

 

崩壊したLunaやTerraUSTとの違いは、なんといっても準備金の違いである。

USDDは、複数の主流のデジタル資産(TRX、BTC、USDTなど)の過剰担保によって保護されており、担保資産の総額は、流通しているUSDDの総額よりも大幅に高く、担保比率は130%に設定。

この数値は、安定を誇っているDAIに必要な120%を上回っている。

つまり、資金に余裕があるために崩壊しないという。

USDDの公式サイトを見れば、記載されているので確認して欲しい。

 

しかし、個人的な意見では危ないと感じている。

法定通貨と、まだ歴史のないアルトコインでは安定性がまるで違う。

過剰担保であろうとも一夜で崩壊する可能性のある仮想通貨を担保にすることはリスクがある。

それだけならまだしも、アルゴリズムで調整をしながら、年利30%を払う事は可能なのだろうか?

世界一の投資家であるバフェット氏の会社の平均リターンが21%。

不可能ではないが、過剰担保であろうとも高金利には気を付けるべきである。

現にUSDDは1ドルで安定しておらず、現在、ペグは外れかかっている。

通貨は皆が信頼するからこその通貨であり、安定せず手放されたら終わりなのだ。

 

ただ、Luna騒動があった中、USDDを推すことは勇気がいること。

年利も下げておらず強気だ。

多くの人は怯み、Luna騒動を見れば、アルゴリズムのステーブルコインをやろうとは思わない。

Tronのリーダーのジャスティン・サンは只者ではない。

USDDの所持はしていないが、応援はしたいと思う。

 

最後に

ステーブルコインに需要があるのは、取引高などを見ても一目瞭然だが、崩壊劇や資金の不透明さなど、まだ信頼しにくい点も感じる。

 

リスクはあるが、よく吟味した上で保持するのは良いと思う。

 

ドルを保有したいだけなら、銀行や証券会社で良いだろう?という意見もあると思うが、そこで、ドルを購入して確実に引き出せる保証もない。

ロシア中銀、ドル売買で規制 現金引き出し1万ドルまでー日経新聞にあるように地学的リスクで引き出せなくなる時もあるのだ。

 

僕は今まで法定通貨担保型一択であった。

しかし、仮想通貨担保型やコモディティ型なども面白いと感じた。

DAIなども少し試していきたいと思う。

 

基本、法定通貨に対して価値の上がるものを担保にすれば担保価値が上昇、より資産は増える。

例えば、100BTCは担保にしても仮想通貨から見れば100BTCとかわらない。

増えも減りもせず常に安定している。

しかし、法定通貨で見ればBTCは価値を上げているため、かつては100円以下だった担保額が今や2億円以上となる。

 

TerraUSTの実験は確かに失敗に終わった。

しかし、USDDのTronのジャスティン・サンのように挑戦者があらわれ、イノベーションに挑もうとしている。

やはり、仮想通貨の世界は面白い。

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