仮想通貨で海外移住した人の多くは、現状の日本の高い税制から回避する理由で移住した人も多いでしょう。
しかし、今後、いまの税制が足かせで仮想通貨を運用上でも日本と海外居住者では大きく資産に差がついてしまうという記事を書いていきます。
実際にどれくらい差がついてしまうのか?
現状をもとに記事にします。
本日のまとめ
何かとつけて税金がかかる日本の仮想通貨。
資金が増えれば増えるほど税率も増し、重荷になる仕組み。
税金は日本円で支払う必要があるため、日本円の確保が必須。
仮想通貨資産の割合が高いと高納税となり、多くの日本円を用意する必要がある。
場合によっては、仮想通貨資産を切り崩す必要が出てくる時もあるだろう。
資産を切り崩す運用は、資産運用には不向きである。
ある程度の資金が増えた際にキッチリ対策をしておきたい。
また仮想通貨資産がそれほどなくても運用を行う事で複雑の税制のため確定申告の税理士代、何より時間がとられることが負担になる場合がある。
それでもお金を銀行に置いておくよりはマシなのであるが、、、。
今の日本での仮想通貨の資産運用は、複雑な税制と税金で海外と将来的に大きな差がつくだろう。
仮想通貨の運用益に課税
※日本の仮想通貨の課税に関しては、【2022年最新】仮想通貨取引の課税対象となるタイミング8選などの記事がわかりやすいです。
現在、仮想通貨を貸したり、預けることで仮想通貨が増えていき運用することができます。
特にドルのステーブルコインの運用は、現在の円安もあり、日本円にも交換しやすいため、資産運用の1つとして考えても良いと思います。
例えば、バイナンスで100万ドル(約1.3億円)のUSDT(ステーブルコイン1ドル=1USDT)を定期セービングという比較的リスク低めで運用しても月に55万円ほど利息だけで増えます。
現在、1ドル134円の円安でより貰えるように見えますw
それはさておき、一般人であれば、これだけで余裕で良い生活ができるレベルです。
しかし、問題なのは、この増えた仮想通貨に対して税金がかかる点です。
上例だと、548794円×12カ月=約658万円分のUSDTが年間入ってきます。
日本では、この額が課税対象になります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
1,000円 から 1,949,000円まで | 5% | 0円 |
1,950,000円 から 3,299,000円まで | 10% | 97,500円 |
3,300,000円 から 6,949,000円まで | 20% | 427,500円 |
6,950,000円 から 8,999,000円まで | 23% | 636,000円 |
9,000,000円 から 17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円 から 39,999,000円まで | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
引用:国税庁「所得税の税率」
仮にこれ以外の収益が無い場合、個人では658万円に所得税率20%+住民税10%がかかります。
6580000×0.3-427500=1546000≒155万円ほど税金でとられるわけです。
ですから、実際は、503万円ほど手元に残ります。
この運用額なら所得税20%でまだ良いのですが、仮想通貨以外の収益があったり、元手が増えれば増えるほど課税割合も増し、最大で55%も税金がかかることがあるのです。
しかし、【2021年度版】仮想通貨の利益に税金を課税しない海外12カ国や僕のいるタイなどの多くの国は仮想通貨で持っている分には課税されません。
よって、その運用益をそのまま次に回せます。
日本の場合は、運用益の一部(最大55%)を税金でとられるため、特に大きな資産を長期に渡って運用する上では日本と海外居住者では大きな差がつきます。
日本での仮想通貨の少額運用は難しい理由
運用で不利なのは大口だけではありません。
しかし、20万円~数百万円ほどの運用でも税金で大きな負担になることがあります。
先ほどの所得税表を見ると、330万円以下は10%以下なのになぜ?と思うかもしれません。
理由は以下の2点です。
・税金の支払いで仮想通貨を売却し課税
・確定申告の税金計算のため税理士を雇うなどの出費がある
まず、日本の税金は日本円で支払うため、現金がない場合、仮想通貨などの資産を売却します。仮想通貨の場合、利確扱いとなり更に税金がかかるわけです。
これを防ぐためには、日本円の収入源の確保(生活分を除く)が必要です。
また、仮想通貨で20万円以上の収益を上げると基本的に確定申告を行うことになります。
日本の税金計算が複雑で面倒なため、大抵の人はその確定申告のために税理士を雇うなどをします。
つまり、税金計算のための出費がかかるわけです。
税理士費用は、最低でも5万円はかかります。
面倒なDefiなどを入れると、もっと跳ね上がります。
20万円ほどを見積もった方が良いでしょう。
少額投資の場合、毎回のこれら出費が負担となり、資金が増えづらく、運用には不向きになります。
日本円確保を意識
多くの方は、仮想通貨の運用額が増えた際の本当の恐ろしさを知りません。
「知らないと破産します。仮想通貨初心者が絶対に覚えておくこと」でも書いたような事が起こるのも仮想通貨資産が一時的にでも飛躍的に増えたから起こる現象。
少額なら、そもそも税金破産などは起こりません。
日本居住者で今の税制である以上、仮想通貨だけで日本円を確保しない考えは非常に危険です。
税務調査の対象期間が7年。
特に大口には税務署は1番追加徴税がとれる7年目に申告ミス等を指摘するかと予想します。
ですから、2017年の仮想通貨バブルからの7年目、2024年前後の納税後の夏頃に日本円を確保していなかったために追加徴税で破産するニュースが多々出てくると思っています。
税金用の日本円の確保量は、仮想通貨の運用額が上がるほど収益も増え、当然、増えます。
その際、日本円の確保を意識するわけですが、変動の激しいアルトコインは勿論の事、安定しているステーブルコインもLunaのように数日で崩壊して価値を失う事もあります。
ですから、税金支払い用の日本円の収入源を増やしたり、運用を分散する必要があります。
日本円と同様の価値を持つ国債や債券なども考慮します。
国債や債券投資の魅力は、一般的に他の金融商品に比べ安全性が高いことです。
いざという時に日本円に交換できないと、最悪、破産します。
そうなると過去の運用は全てパーです。
安全性の高さも考慮に入れる必要があるわけです。
資産増加は喜ばしいことですが、増えれば増えるほど、納税額も大きくなります。よって、分散して利益を落としても安全性を意識することが重要です。
最後に
現在の日本での仮想通貨の運用は、高い税率と複雑な税制の仕組みのために大口にとっても小口にとって非常に難しいものがあります。
Defiなどもイジるだけで課税対象になり、他にもチャンスが来ても行動が遅れたり、複雑な仕組みで納税などを考えることでストレスを抱えることを考えると健康的にも悪いと思います。
また、年を重ねる度に日本円の確保が大きな負担となり、税金で資産の増え方が遅くなり、同じ運用でも数十年で倍以上差がついてしまい、長期的な仮想通貨の資産運用にも不向きだと判断して移住したのもあります。
最近、岸田総理がWeb3に関心を持っているというようなニュースを見ました。
しかし、未だに ~検討、~予定、もはや期待しても仕方なく、約30年間もゼロ成長である今の日本国の現状を考えると今の日本で革新は難しいなと感じています。
仮想通貨界には、創造的で優秀な日本人も多い中、国家に理解されないのは残念でなりません。
2017年の仮想通貨バブルで日本主導であったのも今や懐かしい思い出。
米国など世界との差を埋めるのは、もはや難しいと感じるほどの大きな差がついています。
様々な事情があると思いますが、仮想通貨での運用を長期に渡って考えている方は、海外移住も視野に入れておくと良いでしょう。
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